Trends in Glycoscience and Glycotechnology
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組織学及び病理学におけるネオ複合糖質の適用
A. DanguyK. KayserN. V. BovinH.-J. Gabius秋元 義弘平野 寛
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1995 年 7 巻 36 号 p. 261-275

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抄録

ある担体を目的に応じて化学的にグリコシル化することにより、ネオ複合糖質が生ずる。このような合成プローブは糖の部分を露出しており、もしその結合部位が試料調製過程で壊されたり、アフィニティーの高い内在性リガンドでブロックされなければ、この合成プローブの糖部分は、細胞あるいは組織切片上で、レクチンのような適当な糖レセプターに対するリガンドとしての性質を示す。この標識ネオ複合糖質の組織学並びに病理学への適用(リバース・レクチン組織化学と名付けられている)は、組織から単離、標識された通常のレクチンの適用を相補う。ネオ複合糖質とレクチン、この2種類のマーカーを同時に用いて実験することにより、はっきりとした糖生物学的な相互作用に関して明確な組織化学的所見を in situ で得ることができる。このようにして得られた結果は、生理学的に重要な認識過程にこの種の分子がどんな役割を演じているのかを理解するのに非常に有用である。

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© FCCA, Forum; Carbohydrates Coming of Age
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